- ゲームデバッガーになりけど、どうなの?
- ゲームデバッガーってラクなの?
- ゲームデバッガーは「やめとけ!つらい!」って言われる理由は何?
このような人にオススメできる記事になっています。
この記事の信頼性
- 都内美大卒。ゲーム・IT業界デザイナー(歴10年)
- グラフィックデザイナー・WEBデザイナー経験あり
- 4~5社経験 現職:2D/UIデザイナー
業界の社員・派遣・フリーランスの方からそれなりに情報を聞いております。ある程度信憑性のある情報をお伝えできるかと思います。
ゲームデバッガーの仕事は、一見すると単純なゲームプレイを繰り返すだけに思えますが、ゲーム開発には非常に重要なポジションです。
しかし、「ゲームが好き」だけの理由で飛び込むと、意外ときつい。
本記事では、ゲーム業界出身者の筆者が、ゲームデバッガーとして求められるスキルなど、業界未経験者が知るべきポイントを得ることができます。
記事の前半では、「デバッガーはやめとけ!つらい!」と言われる理由を解説しつつ、記事の後半では「デバッガーのメリットや、筆者が経験した現実」を解説していきます。
この記事のポイント
- ゲームデバッガーを知る事で、ミスマッチを防げる。
- デバッガーはやめとけと言われる理由がわかる。
ゲームデバッガーは「やめとけ!つらい!」は正しいのか?
結論から言うと、ゲームデバッガーはつらいしきついです。
なぜなら、同じゲームの同じシーンを相当プレイし、ゲーム内のバグを見つけ出し、それを詳細にレポートする緻密さが要求されるからです。
何十回と繰り返せば、どんなにゲームが好きでもきつい。
さらに、期限が迫っているプロジェクトでは、長時間労働になることも少なくなく、精神的および肉体的なストレスを増大させます。
また、ゲームデバッガーの仕事は、単なるバグ探しだけではありません。
見つけたバグがどのように発生するのか、それを再現するステップなどを、開発チームにわかりやすく伝えるコミュニケーション能力も求められます。
このプロセスが、ゲームの質を保つ上で極めて重要です。
そのため、注意力と丁寧な作業が求められるため、決して簡単な業務ではありません。
バグを発見した後に、バグが修正されて、再度バグチェックするというループが本当につらい。
ぶっちゃけて言えば、筆者は非常に苦手。
筆者は注意力散漫なため、誤字・脱字やバグを全然見つけられないんですよ。笑
ゲーム開発していながらも、「デバッガーさんすごいな」って毎回感心しています。
つまり、ゲームデバッガーは、ゲーム好きだけでは乗り切れない、多大な忍耐力と集中力を要する職業なんですよ。
ただし、ゲームデバッガーにもメリットはあります。デメリットしかなければ、誰も仕事しないですからね。
何より、「ゲーム業界のリアルを見てみたい」という人々にとっては、一度は体験すべき職種だと思います。
本記事では、ゲームデバッガー・テスターをほぼ同義として扱っています。厳密には異なる職種なのですが、同じ扱いをする企業も多く、求人検索しても同じ扱いになっているからです。
ゲームデバッガーはやめとけ!つらい!と言われる理由7選
① 反復作業がつらい
ゲームデバッガーがつらい理由の1つめは、「反復作業の多さ」です。
先述しましたが、デバッガーは、同じシーンを何度も何度も繰り返しチェックする必要があります。
そのため、飽きるしストレスを溜まるんです。
また、プレイヤーが普通に楽しむことを想定して設計されたゲームも、デバッガーにとっては「ただのテスト」となり、楽しくなくなります。
何度も同じことをやっていると、「つらい…。自分は何しているんだろう…。」と虚無を感じます。
② リリース前の休日出勤・長時間労働がつらい
ゲームデバッガーがつらい理由の2つめは、「リリース前の休日出勤・長時間労働」です。
特に、リリース直前はバグを取り除き、最終的な品質保証を行うための作業が集中するため、この期間中にデバッガーの負担は格段に増加します。
時間外労働が求められることがよくあります。
深夜残業、または休日出勤の必要もあるんです。
そのため、体力的・精神的な疲労だけでなく、眼精疲労がつらい。
また、この期間はゲームの品質が確定される非常に重要な時期なので、デバッガーにかかるプレッシャーも大きくなります。
一つのミスがゲームの致命傷になる可能性もあるため、細心の注意が求めらるんです。
③ 好みのジャンル外のゲームがつらい
ゲームデバッガーがきつい理由の3つめは、「好みのジャンル外のゲームプレイのつらさ」です。
これは言わずと知れたことですが、「自分の好きなジャンルや興味のあるゲーム」のテストを行えるわけではありません。
デバッガーは与えられたタスクに従い、好みに関係なくさまざまなゲームのテストを行う必要があります。
また、全く面白くないゲームでも、テストプレイを繰り返すのです。
単純な苦痛だけでなく、同じシナリオをプレイすることで感じる単調さも加わり、つらくなります。
「売れないだろうな…このゲーム…」と思いながらやることもあるので、割り切りが大事。
④ 体力的につらい
ゲームデバッガーがきつい理由の4つめは、「体力的なつらさ」です。
長時間にわたるスクリーン作業は、眼精疲労、肩こり、腰痛、頭痛といった不調を招く原因となります。
これが原因で、体調不良を訴えるスタッフも少なくありません。
⑤ 低賃金がつらい
ゲームデバッガーがきつい理由の5つめは、「給与の低さ」です。
ゲームの品質を保つという重要な役割を担っていながら、低賃金で雇われます。
年収幅200~500万円、平均年収は350万円前後と言われています。(引用:G-JOBエージェント)
アルバイトなら、相場は1,200円前後となり、そこまで悪くない時給です。
また、ゲーム開発はプロジェクトベースで進行するため、一つのプロジェクトが終了すると仕事がなくなる可能性があります。
さらに、新しいプロジェクトへのアサインが決まったとしても、プロジェクトの延期やキャンセルはあるあるなので、これが直接的な収入の不安定さに繋がります。
ただし、インハウスのデバッガーとなれば、同じ企業で安定的に働くこともできますし、外資系であれば賃金が割高となります。
企業選びが非常に重要です。
⑥ 在宅ワークができないからつらい
ゲームデバッガーがきつい理由の6つめは、「在宅ワークができないからつらい」です。
ゲーム業界には未公開の情報が多く、漏洩を防ぐためにデバッガーは厳格な守秘義務に縛られます。
そのため、多くのゲームデバッガーはオフィスでの作業を余儀なくされます。
ただし、企業によりけりで、正社員であればテレワークの許可がおりやすいです。
きついと言われる理由
- 反復作業がきつい
- リリース直前の長時間労働がきつい
- 興味がないゲームジャンルのプレイがきつい
- 体力的(眼精疲労・肩こり腰痛)にきつい
- 低賃金がきつい
- 在宅ワークができないからきつい
以上のような点から、『デバッガーはやめとけ!つらい!』と言われてしまいます。
ただし、体力的・給与に関する点は、企業によりけりです。
定時退社を原則としている企業もありますし、給与が高い外資系の企業もあります。
つまり、ホワイト企業もあるので、一概には言えません。
労働環境を知りたかったり、キャリアが不安という人は、転職エージェントに相談することをおすすめします。
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ゲームデバッガーの仕事内容は?
ゲームデバッガーは、一般的にゲームのテストプレイヤーとして認識されることが多いですが、ただ単にゲームをプレイすることだけではありません。
以下詳細を、解説します。
① テストプレイの計画作成と実行
ゲームデバッガーは、まずテスト計画を立てます。
これには、テストするゲームの各セクションや機能、取り扱うデバイスの種類、テストの優先度付けなどが含まれます。
その後、実際に計画に従ってゲームをプレイし、テストを実行していきます。
② バグと不具合の特定
バグや不具合を特定することが、デバッガーの主要な任務です。
ゲームプレイに直接影響する致命的なものから、グラフィックやオーディオの問題、あるいはテキストの誤字脱字まで幅広いです。
③ バグ報告とドキュメント化
発見したバグや不具合は、記録してドキュメント化します。
ドキュメントは企業によって異なります。
一度チームでバグを取りまとめてから、リーダーがRedmineなどを使用してチケット化して管理することが多いです。
ここには、不具合が発生した状況、それを再現する手順、および問題の優先度画を含みます。
④ 再テスト
バグを修正した後、ゲームデバッガーは再度テストを行い、その問題が解決されたことを確認します。
また、修正内容が、他の部分に予期せぬ影響を及ぼしていないかもチェックします。
以上のようにゲームデバッガーは、何度も何度もプレイし、時には同じシーンを繰り返すことを要する作業です。
ゲームがユーザーに届く前に品質を保証するための、見えない努力と時間を要する重要な仕事となります。
⑤ ゲームデバッガーとテスターの違い
「ゲームデバッガーとテスターの違いがなぞ」という声もありそうですので、ここで解説します。
ゲームデバッガーは、主にバグを見つけることが業務です。
ゲームテスターは、ゲーム全体の品質・体験を評価することが業務です。
ゲームプレイの楽しさや使いやすさをチェックし、ユーザー視点からフィードバックします。
ゲームがユーザーにとって魅力的かどうかを確認することですかね。
ただし、両者の違いは企業によって異なり、ほぼ同義となることが多いです。
やめとけ?ゲームデバッガーのデメリット
① 職場の人間関係がひどい
ゲームデバッガーは、比較的ハードルの低い職種のため、さまざまな人がいます。
そのため、「人としてどうなの?」という人が混ざってきます。
結果、コミュニケーションで誤解が生じやすくなり、小さな問題が大きな対立へと発展することもしばしば。
② 将来性がない
ゲームデバッガーとして働くと、ゲーム業界の内部を見ることができるため、初めはやりがいを感じるかもしれません。
しかし、ゲームのテストを重ねる毎日の中で、一つの疑問が頭をよぎることでしょう。
「この先のキャリアはどうなるのか?」
残念ながら、デバッガーは技術的なスキルセットの発展に限界があります。
デバッグ作業は、根気のいる作業であり、高度な技術知識が必要になることもありますが、誰にでもできてしまう業務です。
つまり、デバッガーから専門職へのキャリアパスは、確立されていないのが実情です。
強いて挙げるならプランナー職・カスタマーサポートであれば、チャンスはあります。
ゲームデバッガーのメリット
ゲームデバッガーの悪い点にフォーカスしたので、今度は良い点についても解説します。
① 好きな分野で働ける
ゲームが好きな人にとって、自分がプレイすることで製品が改善されることに貢献できるという実感は、他のどの職業にもない経験です。
趣味を超えた深い満足感をもたらすので、デバッガーの特権的な体験となります。
② 新作ゲーム開発に携われる
ゲームデバッガーは、まだ公開されていないタイトルをいち早く体験することができます。
ゲーム開発プロセスに興味がある方や、将来的にゲームデザインやプロデュースに進みたいと考えている方にとっては、貴重な経験となります。
③ ゲーム業界への足がかりを築ける
ゲームデバッガーとして働くことは、ゲーム業界への入り口となり得ます。
業界の実務を学び、将来的なキャリアパスの基盤を築くことが可能です。
様々なゲームジャンルに触れることで、業界全体のトレンドやユーザーのニーズを理解するのにも有効です。
筆者の知り合いも、デバッガーからプランナーでキャリアチェンジした人も多いんですよ。
④ ゲーム開発の構造やプロセスを学べる
ゲームデバッガーとしての経験は、ゲーム開発を理解する良い機会となります。
ゲームが市場に出るまでのプロセスを目の当たりにするため、開発の全体について知見を得ることができるでしょう。
また、ゲームバランスの重要性、ユーザーインターフェースの直感性、そしてプレイヤーの経験を最大化するための微調整などの理解も深められます。
ゲームをプレイするだけだと得られない体験が非常に多いです。
「何で素材集めステージへの導線ないんだよ」
「ゲームバランス〇ソすぎる」
「ドロップ率ひどすぎる」など
上記のような意見がSNS上でみかけますが、その背景にある経営陣・開発陣の判断や、制約を知ることができます。
⑤ 顧客対応がほぼ無い
ゲームデバッガーの仕事は、顧客対応が発生することがほとんどありません。
特に接客業から離れたいと考えている人にとっては、大きなメリットです。
社内コミュニケーションは必要とされますが、外部の顧客と直接やり取りすることはないため、接客に伴うストレスや圧力から解放されます。
やめとけ?ゲームデバッガーに向いていない人の特徴
① 忍耐力が無い人
ゲームデバッガーは、同じシナリオや操作を何度も繰り返しテストします。
反復作業に忍耐力が持てず、すぐに飽きてしまう人には向いていません。
② 不規則な勤務が嫌な人
プロジェクトの締め切りが近い場合、長時間労働や休日出勤が伴います。
インハウスのデバッガーなら、繁忙期以外は安定しています。
しかし、受託会社に勤めた場合、アサインされるプロジェクトによっては、不規則なる可能性があるでしょう。
ゲームデバッガーに向いている人の特徴
① 反復作業を苦痛に感じない人
先にも述べましたが、ゲームデバッガーの仕事は、細かなバグを見つけるための地道な反復作業が中心です。
そのため、これを苦痛に感じない人に向いています。
いくらゲームが好きでも、この点がきついと感じる人は絶対的に向いていません。
② ゲーム業界にエントリーしたい人
ゲーム業界への最初のステップとして、ゲームデバッガーのアルバイトをしてみるのはアリです。
デバッガーから業界の構造を学び、プランナー・カスタマーサポートへの移行を目指すことができます。
③ コミュニケーションが苦手な人
コミュニケーションが苦手な人にも向いています。
デバッガーは、顧客対応が直接的には必要なく、自分のペースで独立して作業に集中できる環境となります。
企業からデバッグの依頼を受注した場合、担当者同士で連絡は必要となりますが、あくまでもBtoB。
この点において苦労することはかなり少ないです。
本音|ゲームデバッガーはやめとけ?おすすめ?
筆者の本音を記載します。
結論、学生がアルバイトとして経験を積むにはおすすめ。
業界未経験の若手社員ならば、ゲーム業界の土台を学ぶにはギリOKラインのスタート地点です。
決してダメというわけでもないですし、デバッガーを職業としている人を否定する意図はございません。
しかし、デバッガーの職は高い専門性を要求されるわけではなく、市場価値がそれほど高くない現実を理解しておかなければなりません。
(言い方を悪くすれば、PCの操作ができれば、誰でもできてしまう業務となります…。現場によっては、開発陣も全員片手間でデバッグします。)
そのため、給与の上がり幅も頻度も少ないのが事実。
30代での未経験からの転職であれば、リスクを伴うでしょう。将来性が見込めないことも多く、キャリアの安定を望むならば慎重な検討が必要でしょう。
つまりは、手に職がないことと同じになってしまい、将来性に欠けてしまいます。
若手ならばデバッガー経験をステップにして、他のプランナーやカスタマーサポートに進むことも不可能ではありません。
その際、企業選びは重要です。
デバッグ専門企業と自社開発の企業では、働く環境が大きく異なるためです。
前者ではコストを抑えるために多くの人を雇うため、新人が多く、社内環境が不安定になりがちです。
後者の場合は、職場環境が整っており、デバッガーから他のキャリアへの道も拓けていることが期待できます。
適切な企業選びのために、エージェントの利用も検討することをお勧めします。
以上が筆者の本音です。
ただし、ゲーム業界に5年以上在籍していたと言えど、デザイナーというポジションなので、あくまでも参考程度でお願いします。
やめとけ?ゲームデバッガーの需要はあるのか?
デバッガーはキャリアしての将来性は希薄であるが、需要自体はあります。
ゲーム業界の市場推移は右肩上がりであり、今後も拡大するでしょう。
プラットフォームもスマホアプリだけではなく、Steam・ロブロックス・フォートナイト内部などどんどん増えています。
デバッグ方法も人海戦術しかなく、需要自体は継続されることが予想されます。
ゲームデバッガーになりたいなら行動すべし
デバッガーになるには
- アルバイトで働く
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「自分がどうなりたいか」というビジョンをもって選択しましょう。
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本記事のまとめ|「ゲームデバッガーはやめとけ!」は人によりけり
本記事のまとめ
- ゲームデバッガーは、反復作業が苦手な人にはきつい。
- 学生アルバイトならおすすめ。
- ゲーム業界を知りたい若手ならまずまず。
- 高い専門性がなく、市場価値が高くないのでキャリア形成には注意が必要。
- 年収幅200~500万円、平均年収は350万円前後。
結局のところ、ゲームデバッガーという仕事が「つらい・きつい・やめとけ」と感じるかどうかは、個人によりけり。
反復的で地道な作業が中心であり、時には辛いと感じる瞬間もあるかもしれません。
しかし、ゲームが好きで、開発過程に関わることに情熱を感じる人にとっては、その苦労もやりがいの一部となるはず。
「やめとけ」と断言することもできません。
なぜなら、ゲーム業界に興味があるなら、貴重な経験となり得ます。
ただし、自己の目標と業務内容をしっかりと照らし合わせ、長期的な視点でキャリアを考えましょう。
後悔のないように、エージェントなどと相談し企業を定め、最善の道を選んでください。
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デバッガーはつらい・やめとけに関する質問まとめ
ゲームデバッガーに必要なスキルはありますか?
基本的なPC操作とWord・ExcelができればOK。コミュニケーション能力、前向きに反復作業ができて、忍耐力があればなお良い。
ゲームデバッガーの勤務時間はどのようになっていますか?
プロジェクトのスケジュールによりますが、リリース前などの繁忙期には長時間労働になることが多いです。