
- デジタルイラストに必要なもの/機材を知りたい
- デジタルイラストの始め方を知りたい
- デジタルイラスト初心者は何から始めるのが良いの?
このような方にオススメできる記事になっています。

- 美大卒
- ゲームIT業界デザイナー(歴8年)
- iPad系Youtube登録者数33,000
- iPadAir5とiPad9を使用
- サブ機:M1MacBookAir
- メイン機:Windows
この記事のポイント
- デジタルイラスト用のデバイスを理解できる。
- デジタルイラストに必要なもの・機材について理解できる
- デジタルイラストの始め方がわかる
デジタルイラストの始め方
必要なもの/機材を理解しましょう。
まず、デジタルイラスト初心者の方は、必要なデバイスの理解から始めましょう。
デジタルイラストを描くには、主に3つの選択肢があります。
この選択が非常に重要で、イラストを描く上で最も影響が出るポイントになります。
慎重に選びましょう。
1番大切なのは『自分の目的や環境にあったデバイスを選ぶこと』です。

・作業スペースはあるの?
・既にPCはあるの?
・趣味なのかプロ志望なの?
このように人によって、目的や環境って異なりますよね。
自分に適していないデバイスを選ぶと、失敗して余計なコストがかかってしまいます。
最悪、途中で挫折してしまうケースもあるかもしれません。
ですので、この記事を読んでくださった人には、気持ちの良いスタートをきってほしいです。
筆者は、iPad・板タブ・液タブ、全ての機材でイラストを描いた経験があります。
その中で感じた、メリット・デメリットなどを解説していきます。
デジタルイラストに必要なもの/機材について特徴を解説

1:iPad+ApplePencil
iPadは、液タブ・板タブと違い、『PCなしで独自に動作するタブレット型のデバイス』です。
初期設定など難しいことはせずに、アプリをいれるだけでお絵描きができるようになります。
開封~イラスト開始まで、最短15分ほどで可能になります。
本当にお手軽です。
iPadとApplePencilの相性は最高で、紙に描いている感覚と変わりがないくらいです。
また、iPadは作業スペースがほとんど必要ないので、スペースの確保が難しい方に向いています。
約5万円代から手が届くので、趣味でイラストを始めたい方にオススメできます。
▼iPadのメリット・デメリットについてはコチラ
-
iPadはやめとけ?|デジタルイラスト初心者にiPadは最適なのか?
続きを見る
2:板タブ(ペンタブ)
板タブは、USBでパソコンに接続してお絵描きするデバイスです。
そのためパソコンが必須になります。
ノートPCならディスプレイは必要ありませんが、デスクトップの場合、別途ディスプレイも必要になります。
板タブは、マウスやキーボードと同じ感覚で、PCに接続することで使用できます。
付属しているペンが、マウスの代わりになります。
見た目はただの板なので、スタンドとかに立てかければ隙間に収納できます。
作業スペースが狭い方は、ノートPCと板タブを選択すれば、省スペースでイラストを始めることができます。
ちなみに筆者は、ゲーム・IT業界で仕事をすることが多いのですが、プロのクリエイターやイラストレーターも板タブを使用しています。
企業の場合は、板タブの方が低コストだから普及している気がします。
予算のある企業ですと、液タブなど高価な機材が多いですからね笑
3:液タブ
液タブは、板タブ同様にパソコンに接続してお絵描きするデバイスです。
そのためパソコンが必須になります。
液タブは、液晶ディスプレイがあるので、画面に直接描いている感覚のデバイスです。
仕組みとしては、パソコンの映像が液タブに写る構造です。
そのため、iPadのようにアナログで描いている感覚になります。
液タブも、付属のペンをマウス代わりにして使います。
液タブは、漫画家やイラストレーターなど、絵を描くことで生計を立てている方が、使用している機材です。
作業スペースの確保が必要になるので、絵を本気で描いている人が持っているイメージですね。
特に背景絵師やゲームのイラストレーターなど、緻密なところまで品質が求められる方に向いています。
操作性はパソコンで左右されるので、スペックの良いパソコンを使用すれば、より快適にイラストを描くことが可能です。
iPad・板タブ・液タブ比較
iPad | 板タブ | 液タブ | |
PC | 不要 | 必須 | 必須 |
持ち運び | 〇 | △ | × |
PC配線 | 不要 | 必須 | 必須 |
価格 | 低~中 | 中 | 高 |
物理ショートカット | なし | あり | あり |
それぞれのデバイスの違いをまとめると、このような感じです。
パソコンが必要かどうかが、大きな違いになるかと思います。
iPadは単体でお絵描きができる上に、1kg以下なので持ち運びもできます。
板タブ・液タブはパソコンが必要なので、単体で持ち運びはできなくもないですが、外出先でお絵描きとかは難しいです。
ですので、板タブ・液タブは、腰を据えてイラストを描きたい方に向いているデバイスになります。
価格に関してお話しすると(パソコンやその他デバイスを持っていない前提で解説します。)
1番コストがかかるものは、液タブとPCです。
2番目は、板タブとPCです。
3番目は、iPadとApplePencilになります。
iPadとApplePencilは、約6万円代から購入ができます。
ただ、iPadとApplePencilでも性能の高い機種を選べば、10万円をこえます。めちゃくちゃ安いというわけではありません。
以上が、各デバイスについての解説になります。
初心者が始めるにはどの機材を選べばいいのか?
筆者がだした結論は上記になります。
デジタルイラストを描きたい目的が、プロになりたいものなのか、趣味に向けたものなのかが、1つの分岐点になります。
(作業環境からの選択も大事ですが、何よりも目的を大切にしましょう。)
趣味の範囲で、SNSとかに自分のイラストをアップしたいとかであれば、手軽に使用できるiPadでも全然良いと思います。
ただ、プロ志望の方は、絶対にPC+板タブ・液タブを選択した方が良いです。
マルチタスクはPCが圧勝だから
理由としては、マルチタスクの快適性が、PCの方が圧倒的に高いからです。
デジタルイラスト初心者の方が上達するには、資料を見たり、たくさんの作品を参考にしながら描くことだと思うんですよ。
その際に、PCでないと参考資料を大量に見ながら絵は描けません。
PCは複数のウィンドウを自由に動かすことができるので、資料の確認が非常にラクです。
また、資料をまとめてダウンロードしたり、データ移動が手軽にできます。
iPadの場合はファイル管理が圧倒的に弱いです。
下記はiPadで資料を表示しながら、イラストを編集している時の画面になります。
iPadは、OSの都合上マルチタスクは最大3つまでなので、資料を表示させると、イラストを描くスペースがめちゃくちゃ減ります。
下図は、3画面表示のスクショになります。PCと違って各画面が自由に動かせるわけではないので、微妙に不便なのです。
これは実際に操作してみないと伝わらないので、店頭で確認してみることをオススメします。
また、PCの場合は、キーボードで様々な機能を、ショートカットキーで高速で切り替えることができます。
iPadの場合は、ApplePencil第2世代のツール切替とジェスチャー操作のみになります。
ジェスチャー操作とは、2本指や3本指で画面をダブルタップしたりスワイプすると、何かしらのアクションする機能です。
このような理由もあり、イラストを描くときの生産性はPCの方が高いです。
ですので、プロ志望の方は『PC+板タブ・液タブ』を選択した方が良いと思っています。
iPadは好きな姿勢で描けたり、省スペースでイラストが描けるメリットは良いのですが、マルチタスクだけはどうにもなりません。
また、iPadが安いという理由だけで、都合の良い部分だけを見て曲解しないように注意しましょう。
iPadはPCの代わりには絶対ならないので。(iPadを否定しているわけではないです。)
iPad自体は、手軽に使えて素晴らしいデバイスです。ただ、ものには使いどころがあるということです。
▼iPadのメリット・デメリットについて知りたい方はコチラ
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▼iPadとパソコンの違いを知りたい方はコチラ
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iPadとパソコンはどっちが買い?iPadはパソコンの代わりになるのか違いを解説
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既にPCがある方はどうすべき?
一度お手持ちのPCのスペックを確認してみましょう。
推奨環境 | |
プロセッサー(CPU) | Intel core i5以上 AMD Ryzen 5以上 |
メモリ(RAM) | 8GB以上(16GBなら良き) |
ストレージ | 256GB以上 ※HDDよりSSD推奨 |
GPU | NVIDIA GeForce ※CPU内蔵よりおすすめ |
上記の環境を大幅に下回っていたら、新しくデバイスを検討することをオススメします。
問題なければ、1番安い板タブを購入して、まず挑戦してみましょう。
無理に高い機材は買わずに、まず1枚イラストを描いてみるところから始める方法が良いですよ。
高価な機材は、本当に必要になった時に購入しましょう。
おそらくですが、Celeron、Core i3、Ryzen 3のCPUでもイラストは描けますが、遅延がかなり起きると思います。(特にCeleronは非推奨)
PCのスペック確認方法
Windowsの確認方法
スペック確認の流れ
- スタートマーク
- 設定
- システム
- 詳細情報
Macの確認方法
スペック確認の流れ
- Appleマーク
- このMacについて
- 概要
メリット・デメリット・詳細まとめ

iPadのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・細かい設定が不要ですぐ使える ・持ち運びがラク ・手軽にお絵描きができる ・基本操作がiPhoneと同じ ・Macとの相性が良い ・色んな姿勢でお絵描きができる ・無料アプリが豊富 ・低遅延 | ・描いている際中に絵が手で隠れる ・ショートカットキーがない ・ファイル管理が面倒 ・PCと比較するとアプリの機能が少ない ・替え芯が高い ・複雑な作業ができない ・画面が小さい ・資料を見ながらのマルチ作業が苦手 |
こんな方におすすめ
- スマホ感覚でイラストを描きたい方
- パソコンが不要な方
- 持ち運びしたい方
- 趣味で気軽に描きたい方
- 瞬発的な作業がしたい方
- 絵だけ描きたい方
初期費用は1番安くて『約55,000円』から始めることができます。※本体/ApplePencil/フィルム/ケースを含んだ価格です。
設定不要で、手軽にお絵描きができるのはすごく良いです。
加えて、iPadは優秀なアプリを無料で使えることがあります。
ここが大きなメリットかなっと思います。
iPadに関して1つ注意してほしい点としては、iPadの液タブ化についてです。
iPadは、Macと連携させて液タブ化する『SlideCar』という機能があるのですが、これはあまりオススメできません。
iPadを液タブのように使えることは確かですが、ショートカットやバグなど細かいところが整備されていないため、iPad単品の方が描きやすかったりします。
『SlideCar(iPadの液タブ化)』は、個人的にはもう少し機能が向上してから検討した方が良いと思います。
できないことはないですが、慣れるまでにめちゃくちゃ大変な気がします。
▼iPadについて詳しく知りたい方はコチラ
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脱失敗|iPadでお絵描きしたい人はどのモデルを買えばいいのか?
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板タブ(ペンタブ)のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・安い ・薄くて場所をとらない ・描いている際に絵が手で隠れない ・画面を広く使える ・キ-ボードのショートカットキーが使える ・板タブのショートカットキーが使える ・パソコンのOSが使用できる ・姿勢が崩れない | ・クセがある ・慣れるまでに時間がかかる |
こんな方におすすめ
- パソコンを所持しているイラスト初心者の方
- 初期費用を抑えてイラストを始めたい方
- 作業スペースを抑えたい方
初期費用はワコムとかでも約10,000円から始めることができます。
パソコンとお絵描きソフトがない方は、そちらも別途購入する必要があります。
板タブですが、描き心地にクセがあるので、慣れるまでに時間がかかります。
なぜかと言うと、板タブのサイズとディスプレイのサイズが、大半の場合異なるからです。
例えば、板タブよりディスプレイが1.5倍大きい場合は、板タブでの5cmのストロークは、ディスプレイ上では1.5倍の7.5cmのストロークになります。
この感覚に慣れるまでに時間がかかります。
液タブのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・画面が大きい ・長いストロークが描きやすい ・キ-ボードのショートカットキーが使える ・液タブのショートカットキーが使える ・パソコンのOSが使用できる | ・描いている際中に絵が手で隠れる ・手で動かす範囲が広い ・姿勢が崩れる ・場所をとる ・性能が低いものは遅延を感じる ・処分が大変 |
こんな方におすすめ
- パソコンを所持している方
- 本格的に絵を描きたい方
- 腰を据えて描きたい方
- 作業スペースに余裕がある方
初期費用はWacomの場合、約75,000円から始めることができます。
パソコンとお絵描きソフトがない方は、そちらも別途購入する必要があります。
iPad・板タブ・液タブの中だったら、1番描きやすいのは液タブです。
大画面に直感的に描くことができ、OSはPCなのでマルチタスクも自在です。
左手用のデバイスとかもあるので、生産性が1番高いですね。
少し話が逸れますが、iPad・液タブは人によっては姿勢が崩れてしまい、首・肩に負担がかかります。
上図を見るとわかるのですが、角度が低いですよね。
特に、身長・座高が高い方は、スタンドやモニターアームがないと結構つらいですよ。
iPad・液タブ・板タブ(ペンタブ)
おすすめ機材一覧
iPad

初心者の方は、無印iPad・iPadAirがオススメです。
経験者の場合は、iPadProも検討した方が良いと思います。
無印iPadはApplePencil第1世代対応で、iPadAirがApplePencil第2世代対応なのでご注意ください。
▼iPadについて詳しく知りたい方はコチラ
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脱失敗|iPadでお絵描きしたい人はどのモデルを買えばいいのか?
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板タブ(ペンタブ)

板タブは、Sサイズを選べば約10,000円で購入できますが、Mサイズの方が描きやすいですよ。
液タブ

Wacomの液タブなら、エントリーモデルはこれがオススメ。液タブを買うならば、15.6インチを選ぶと良いです。
▼我が家で使用している液タブはコチラです。モニターの発色が非常に綺麗で4K対応しています。
めちゃくちゃ重たいし、スペースをとるので、アームセットが良いかもです。
PCの推奨環境
推奨環境 | |
プロセッサー(CPU) | Intel core i5以上 AMD Ryzen 5以上 |
メモリ(RAM) | 8GB以上(16GBなら良き) |
ストレージ | 256GB以上 ※HDDよりSSD推奨 |
GPU | NVIDIA GeForce ※CPU内蔵よりおすすめ |
上記が推奨環境になります。
マウスコンピューターかFRONTIERなどで、10~15万くらいのセール品を購入すれば、ほとんど問題は起きないと思います。
筆者自身、FRONTIERで個人のPCを買ってます。マウスコンピューターは職場で使用してます。
Appleなら、MacBookAir(メモリ16GB)とかでも良いと思います。
▼MacBookAirの記事はコチラ
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Windowsユーザー視点 | M1 MacBookAir感想・レビュー!メリット・デメリットは明確にある
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デジタルイラストの始め方
オススメのイラストソフト
PC有料
CLIP STUDIO PAINT
出典:CLIP STUDIO PAINT公式
有料でも問題なければ、CLIP STUDIO PAINTがオススメです。
PC版なら買い切りで、永続的に使用できるのでめちゃくちゃ良いです。
シェア率が高いので、わからないことも検索すれば比較的見つかりやすいです。
無料期間があるので、ぜひ試してみてください。
iPad版はサブスクリプションのため、月々のコストがかかるので要注意。
ペイントソフト CLIP STUDIO PAINT 無料体験版のダウンロード
PC無料
メディバンペイント
出典:MediBang Paint公式
有料のソフトを買うことに抵抗があるなら、メディバンペイントでまず試してみましょう。
無料なので、損することはないですよ。
iPad有料
Procreate
出典:Procreate公式
iPadユーザーなら、Procreateがオススメです。
有料なのでコストはかかりますが、初心者でも簡単に覚えられる設計になっております。
iPadのイラストアプリと言えばProcreateと言われるほど、めちゃくちゃ人気のアプリです。
iPad無料
ibisPaint
ibisPaintは、素材数がダントツに多く、イラストに特化したアプリです。
アプリダウンロードランキング上位に君臨し続ける、有名アプリです。
無料イラストアプリの中で、最も人気があります。
デジタルイラストを始めたいと思うなら、すぐ行動しましょう
デジタルイラストを始めたいと思っているなら、すぐに行動しましょう。
やりたい事にエネルギーを使わないのは、機会損失だと思います。
正直、機材を詳細を調べるのはめちゃくちゃ面倒ですよね。
ただ、面倒と思うときに、重い腰を上げることが大事ですよ。
まずは、無料でできることから始めて、1つ作品を仕上げてみましょう。
家にPCがあるなら、無料のソフトをいれて1番安い板タブを購入して、とりあえず描いてみましょう。
何かしら始めないと、いつまでも悩んでしまうので。
何を描いたらよいかわからない場合は、好きな作品を模写したり、真似することで上達しますよ。
数を打てば、そのうちツールの使い方が、身体に染み込みます。
有料アプリや高価な機材は、本当に必要になってからでも遅くないと思います。
個人的に思うことですが、趣味の範囲であれば無理にお金を払って講習とかはいかない方が良いと思います。
まず、独学でやってみましょう。
ただ、講習とか行くと、イラスト仲間とかできて楽しかったりするので、ここは賛否両量ですね。(有料のものは無理のない範囲で利用しましょう)