
・iPad/液タブ/板タブ(ペンタブ)の違いを知りたい
・デジタルイラスト初心者だけど、何を買ったらよいかわからない
このような方にオススメできる記事になっています。

【筆者経歴】
ゲーム・IT業界デザイナー8年目
iPad・板タブ・液タブでの創作経験あり
【筆者経歴】
ゲーム・IT業界デザイナー7年目
iPad・板タブ・液タブでの創作経験あり
現在、Wacom Cintiq Pro 24がメイン機

↑このような感じですので、ある程度信頼のおける情報をお伝えできるかと思います。
この記事ポイント
・iPad/液タブ/板タブ(ペンタブ)の違いがわかる
・iPad/液タブ/板タブ(ペンタブ)のメリット/デメリットがわかる
この記事の内容は動画でも解説してます。
iPad・液タブ・板タブ(ペンタブ)
どれがおすすめ?
結論としては『人によりけり』です。
なぜかと言いますと、iPadは単体で動作するデバイスで、液タブ・板タブはPCに接続して動作するデバイスだからです。
つまり、今現在パソコンを所持しているかどうかで左右されるからです。
加えて、予算・イラストの経験値・目的などで、大きく変わります。
そのため『人によりけり』が答えになってしまいます。
ですので、各デバイスを比較
メリット・デメリットを徹底解説していきます。
ぜひ最後まで見てもらえればと思います。

iPad・液タブ・板タブ(ペンタブ)
各デバイスの解説

iPadの解説
iPadは、液タブ・板タブと違い、『PCがなくても独自で動作するデバイス』です。
OSは、iPadOSという専用のものになっています。
初期設定など難しいことはせずに、アプリをいれるだけでお絵描きができるようになります。
OSとは?
OSとは、システムを管理しアプリケーションソフトを動かすための根っこのソフトです。
どのデバイスにもインストールされています。
Appleは『MacOS,iPadOS,iOS』
Microsoftは『WindowsOS』など
iPadは、iPadPro・mini・Air・無印の4種類リリースされていて、最大画面サイズはiPadProの12.9inchになります。
ApplePencilを使用すれば、自在にイラストを描くことができます。アナログと同じ感覚で描けます。
ApplePencilには違いがあります
ApplePencilには、第1世代と第2世代があります。
ApplePencil第1世代は、無印iPad第9世代が対応
ApplePencil第2世代は、iPadPro・mini・Airが対応しています。
それぞれ対応しているデバイスが異なりますので、購入する際はご注意ください。
▼第2世代はiPadの側面にくっつけて充電とペアリングができます。
▼第1世代はiPadの端子にさしこんで充電とペアリングができます。
ですので、ApplePencil第2世代+iPadProやAirの方が『より快適なお絵描き』に向いているデバイスになります。
板タブ(ペンタブ)の解説
板タブは、USBでパソコンに接続してお絵描きするデバイスです。
そのためパソコンが必須になります。
マウスやキーボードと同じ感覚で接続でき、付属しているペンがマウスの代わりになります。※ネットサーフィンなどのお絵描き以外の用途も、ペンで可能です。
お絵描きソフトを使えば、そのまま自在にお絵描きすることができます。
見た目はただの板なので、立てかければ隙間に収納できます。
我が家はゲーム・IT業界で仕事をすることが多いのですが、プロのクリエイターや絵師さんなどもたくさんの方が板タブを使用しています。※企業の場合、板タブの方が低コストだから普及している気がしますが…
パソコンに接続して使用するため、操作感度はパソコンで左右されます。スペックの良いパソコンを使用すれば、処理落ち・アプリが落ちたりすることはほぼなくなります。
板タブのスペックは、価格によって筆圧感知のレベルが異なります。 2048・4098・8192のどれかが搭載されており、高価なものほど、滑らかな筆圧(8192)で描くことができます。
以上が、板タブについての解説になります


液タブの解説
※Wacom Cintiq Pro 24使用
液タブは、板タブ同様パソコンに接続してお絵描きするデバイスです。
そのためパソコンが必須になります。※パソコンが必要ないものも存在しますが、基本は必要になります。
液タブは、液晶ディスプレイがあるので、画面に直接描いている感覚です。
仕組みとしては、パソコンの映像が液タブに写る構造です。そのため、iPadのようにアナログで描いている感覚になります。
液タブも、ペンをマウスの代わりに使えます。※ネットサーフィンなどのお絵描き以外の用途も、ペンで可能です。
液タブは、漫画家や絵師さんなど、絵を描くことで生計を立てている方がよく使用しているデバイスです。
こちらも操作性はパソコンで左右されるので、スペックの良いパソコンを使用すればより快適にイラストを描くことが可能です。
液タブの場合は、価格によって『液晶の色域・筆圧感知のレベル・画面サイズ』のグレードが上がっていきます。
以上が、液タブについての解説になります
液タブ・板タブ・iPad
比較まとめ
それぞれのデバイスの違いをまとめると、このような感じです。
パソコンが必要かどうかが、大きな違いになるかと思います。
iPadは単体でお絵描きができる上に1kg以下なので、持ち運びもできてサクっとイラストを描くことができます。
板タブ・液タブはパソコンが必要なので、単体で持ち運びはできなくもないですが、外出先でお絵描きとかは難しいです。
ですので、板タブ・液タブは腰を据えてイラストを描きたい方に向いているデバイスになります。
価格差に関してですが、単品だと板タブが1番安いです。
ただ、どれも高性能なものは数万円以上します。iPad・液タブなら、10万円をこえます。
価格面は、パソコンを所持しているかどうかで大きく変わります。
以上が、各デバイスについての解説になります。
iPad・液タブ・板タブ(ペンタブ)
描き心地の比較

結論
描き心地が良かったランキングは、下記のような感じです。


正直、どのデバイスも描きやすいのは間違いないです。
ただ、あくまでも個人の意見になりますので、家電量販店とかで必ず体験してみましょう。
特に板タブはクセが強いので、慣れるまでに時間がかかります。
iPad・板タブ・液タブには、それぞれメリット・デメリットがあるので、どこにプライオリティを置くかで意見が変わると思います。
作業速度に関しては、やはり画面サイズ・OSの差が大きいかなっと思い、この順位になっています。


描き心地の違い
iPad・板タブ・液タブの描き心地自体は『ほぼ変わらない』が正直な意見です。
どのデバイスも低遅延でラグもほぼ感じません。また、筆圧感知も十分あるので、問題はないと判断ができます。
描き心地の動画は06:03~
今回検証したiPad第9世代は、最新のiPadの中でも最安値のデバイスです。
それでも描き心地は、ワコムの20万円の液タブとあまり変わらないのはApple製品のすごみを感じます。
iPad・液タブには視差がある
iPadと液タブには『視差』があります。
視差とは、ペン先とディスプレイにガラス1枚の隔たりを感じる事です。
ですので、ペン先とディスプレイにちょっとだけ距離を感じます。
iPadは、最新のiPadPro・mini・Airでは、視差はありません。無印iPadのみ視差があります。
▼iPadについて詳しく知りたい方はコチラ
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脱失敗|iPadでお絵描きしたい人はどのモデルがおすすめなのか?
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以上が、描き心地についての解説になります。
iPad・液タブ・板タブ(ペンタブ)
メリット・デメリット

iPadのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・細かい設定が不要ですぐ使える ・持ち運びがラク ・手軽にお絵描きができる ・基本操作がiPhoneと同じ ・Macとの相性が良い ・色んな姿勢でお絵描きができる ・無料アプリが豊富 ・低遅延 | ・描いている際中に絵が手で隠れる ・ショートカットキーがない ・ファイル管理が面倒 ・PCと比較するとアプリの機能が少ない ・替え芯が高い ・複雑な作業ができない ・画面が小さい ・資料を見ながらのマルチ作業が苦手 |
上記がiPadのメリット・デメリットです。
特にメリットに感じるのは3点あります。
メリット1:設定が不要ですぐ使える点
iPadは、細かい設定なしにすぐ描けるので、手軽にお絵描きができます。
ApplePencilのペアリングも、差し込んだり・側面に張り付ければできます。
液タブ・板タブの場合ですと、パソコンに接続してドライバをいれたり、お絵描きソフトを購入したり、意外とやることが多いです。
iPadの場合、購入して1時間以内にお絵描きできるようになるのは、非常にラクだと思います。
メリット2:手軽にお絵描きができる点
先程と似た点ですが、iPadは突発的に絵を描こうと思った瞬間に起動ができます。
そのため、アイディアをまとめたり、ラフ絵を描いたりするのに非常に向いています。
やる気がない時は、寝っ転がった状態で描けます。
パソコンの場合、描こうと思っても『立ち上がって→起動』のような、ちょっとした気合が必要ですが、iPadにはそれがないのはメリットです。
メリット3:無料アプリが豊富な点
iPadは、優秀なアプリでも無料で使えることがあります。
ここが大きなメリットかなっと思います。ibisPaintというアプリは、無料で特にオススメです。
パソコンの場合、無料のソフトもありますが、有名どころは有料になります。※ClipStudio・Photoshopなど
ただiPadは、パソコンと比較するとキーボードなどのショートカットキーが無いため、作業効率は下がるかなっと感じました。
PCに慣れている方でしたら、ctrl+Zをがめちゃくちゃ必要に感じます。
加えてiPadは最大で12.9インチのため、画面が小さめです。
そのため『ながら作業』に弱いです。
資料を見ながら・動画を見ながら絵を描くことが、やりづらく感じます。
できないことはないですが、パソコンと比較すると操作性が悪く感じます。
以上が、iPadのメリット・デメリットになります。
板タブ(ペンタブ)のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・安い ・薄くて場所をとらない ・描いている際に絵が手で隠れない ・画面を広く使える ・キ-ボードのショートカットキーが使える ・板タブのショートカットキーが使える ・パソコンのOSが使用できる ・姿勢が崩れない | ・クセがある ・慣れるまでに時間がかかる |
上記が板タブのメリット・デメリットです。
特にメリットに感じるのは3点あります。
メリット1:安い点
パソコンを所持している方限定になりますが、板タブは比較的低コストで購入することができます。
メリット2:描いている際に絵が手で隠れない点
iPadや液タブの場合、画面に手をのせて描きます。その際、描いている手で絵が隠れてしまい、全体を把握しづらくなります。
板タブの場合は、画面に手をのせないため、手で絵が隠れません。
そのため、画面全体を把握しながら描くことができます。
メリット3:ショートカットキーが使える点
キーボードと板タブが近い位置に置かれるので、キーボードのショートカットが押しやすいです。
ここが良いポイントです。
板タブ自体のショートカットキーも使うことができますが、キーボードショートカットが特に必要なので。
ただ、板タブはクセがあるので、慣れるまでに時間がかかります。
なぜかと言うと、板タブのサイズとディスプレイのサイズが大半の場合異なるからです。
例えば、板タブよりディスプレイが1.5倍大きい場合は、板タブでの5cmのストロークは、ディスプレイ上では1.5倍の7.5cmのストロークになります。
この感覚に慣れるまでに時間がかかります。
これが板タブにクセを感じる理由です。
以上が、板タブのメリット・デメリットになります。
液タブのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・画面が大きい ・長いストロークが描きやすい ・キ-ボードのショートカットキーが使える ・液タブのショートカットキーが使える ・パソコンのOSが使用できる | ・描いている際中に絵が手で隠れる ・手で動かす範囲が広い ・姿勢が崩れる ・場所をとる ・性能が低いものは遅延を感じる ・処分が大変 |
上記が液タブのメリット・デメリットです。
特にメリットに感じるのは3点あります。
メリット1:画面が大きい点
液タブは、最大サイズがかなり大きいでし。
大きい画面でのイラスト制作は本当に描きやすく、かなり快適性につながります。
メリット2:長いストロークが描きやすい点
液タブは、ストロークが1番綺麗に描けます。
液タブは、手首だけではなく腕を使って描きます。そのため、板タブと比較すると、キレイな線を描きやすく感じました。
メリット3:パソコンのOSが使用できる点
板タブと同様で、パソコンに接続して使用できるので、キーボードのショートカットや液タブ自体のショートカットが使用できます。
これを使用できるかどうかが、生産性を上げる分かれ道だと思います。
プロの方ですと、左手専用のショートカットデバイスを使用する方もいます。
液タブは、パソコンのディスプレイに直接描けるので、理論的には1番イラスト制作に向いているデバイスだと思います。
iPadと比較すると、『画面サイズが大きい・パソコンのOSが使用できる・ショートカットキーが使える』ため、かなり強いです。
その分サイズ感があるので、作業スペースの確保が必要になります。
描いている際中に手で絵が隠れるので、イラスト全体のバランスの把握はしづらく感じます。
以上が、板タブのメリット・デメリットになります。
姿勢の維持は非常に重要
話が少し逸れますが、iPad・液タブは人によっては姿勢が崩れてしまい、首・肩に負担がかかります。
上図を見るとわかるのですが、角度が低いですよね。
特に、身長・座高が高い方は、スタンドやモニターアームがないとその可能性は大きいです。



記事の途中にあった描き心地の表で、板タブを1位にした理由が『単純に姿勢が崩れづらいから』です。
スタンドやアームがある前提ならば、
描き心地は『液タブ>iPad>板タブ』です。
やっぱり、そうなるよね。
わたしは、アーム付けているけど、めちゃくちゃ快適よ~

スタンド・モニターアームがあるとめちゃくちゃ快適になります。もしも、デバイスを購入する機会がありましたら、ぜひ使用してみてほしいです。
iPad・液タブ・板タブ(ペンタブ)
どのような方に向いているのか

iPadはこんな方に向いています
こんな方におすすめ
- スマホ感覚でイラストを描きたい方
- パソコンが不要な方
- 持ち運びしたい方
- 趣味で気軽に描きたい方
- 瞬発的な作業がしたい方
- 絵だけ描きたい方
初期費用は1番安くて『約69,000円』から始めることができます。※本体/ApplePencil/フィルム/ケースを含んだ価格です。
▼iPadについて詳しく知りたい方はコチラ
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板タブ(ペンタブ)はこんな方に向いています
こんな方におすすめ
- パソコンを所持しているイラスト初心者の方
- 初期費用を抑えてイラストを始めたい方
- 作業スペースを抑えたい方
初期費用はワコムとかでも約10,000円から始めることができます
※パソコンとお絵描きソフトがない方は、そちらも別途購入する必要があります。
液タブはこんな方に向いています
こんな方におすすめ
- パソコンを所持している方
- 本格的に絵を描きたい方
- 腰を据えて描きたい方
- 作業スペースに余裕がある方
初期費用はWacomの場合、約75,000円から始めることができます。
パソコンとお絵描きソフトがない方は、そちらも別途購入する必要があります。

本格的に絵を描きたい場合は、パソコンがおすすめ
特に本格的に絵を描きたい方は、パソコンを使用して描くことをオススメします。
資料や動画を見ながら絵を描くことが容易にできますし、データの管理もパソコンの方が圧倒的にラクです。
ただ、パソコンを使用するにしても、iPadとMacを連携させて液タブ化する『SlideCar』は避けましょう。
iPadを液タブのように使えることは確かですが、ショートカットやバグなど細かいところが整備されていないため、iPad単品の方が描きやすかったりします。
『SlideCar』は、個人的にはもう少し機能が向上してからが良いと思います。
できないことはないですが、慣れるまでにめちゃくちゃ大変な気がします。
iPadは、設定をせずに瞬発的に絵を描けることが非常に良いメリットですが、マルチタスクやデータ管理ではパソコンには勝てません。
また、iPadではパソコンのように、ショートカットを使いながら描くこともできません。
その辺を加味すると、本格的に絵を描きたい方は『パソコンと板タブもしくな液タブ』の方がオススメです。
iPadを否定しているわけではありません。
iPadは、『スマホ感覚でとりあえず絵を描いていきたい!』というような方に向いているデバイスです。
▼iPadとパソコンの違いを知りたい方はコチラ
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iPadとパソコンはどっちが買い?iPadはパソコンの代わりになるのか違いを解説
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単純に絵を描きたいだけなら、iPadでも全然OKだよね。
そうだね。
ただ、資料を大量に見たい方とか、マルチタスク前提だとiPadは厳しいよね。


ブラウザ大量に開いて、切り替えながら資料を見たりとか
大量のデータを管理するとかは厳しいね。
そうそう。
iPadは手軽さが最強だからね。
サクっと描きたい場合は、めちゃくちゃ便利。

iPad・液タブ・板タブ(ペンタブ)
おすすめデバイス一覧
iPad

無印iPadはApplePencil第1世代対応で、iPadAirがApplePencil第2世代対応なのでご注意ください。
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板タブ(ペンタブ)

板タブは、Sサイズを選べば約10,000円で購入できますが、Mサイズの方が描きやすいですよ。
液タブ

Wacomの液タブなら、エントリーモデルはこれがオススメ。液タブを買うならば、iPadPro12.9インチよりも大きい15.6インチを選ぶと良いです。
▼我が家で使用している液タブはコチラです。モニターの発色が非常に綺麗で4K対応しています。
めちゃくちゃ重たいし、スペースをとるので、アームセットが良いかもです。